次世代に命をつなぐ
北九州市保育士会会長 藤岡佐規子
深刻化する少子化。このままいくと千年後の日本の人口は約五百人になるという予測があるそうだが、21世紀初頭の重要課題の一つとなるだろう。これまでも種々な施策、法整備もなされた。
しかし、保育現場からみる親たちの現実は厳しい。高熱で親を求める子供にも切ない思いを心に押し込め、座薬を挿入して登園させ職場に何かう。男性なら固有名詞で非難されることが女性の場合はまだ同性全体へのらく印となるからだ。両性に許された育児休業も男性への周辺の意識は固い。
IT革命に立ち遅れた日本がそれに向かうために、人が子を産み育てるという足元の営みを人々は見失ってはならないと思う。企茉も同様だ。
ところで改訂保育所保育指針第12章に、子供の心身の健康、安全について嘱託医が大きな役割を持つことが明記され、咋今悩み多い保育者たちにとって心強い存在としてありがたく思う。
子育ての協働者である保育所の困惑の第一は、投(与)薬の問題である。病気の流行期、水薬の保管で冷蔵庫がいっぱいになった。ラフな親は兄弟に処方されたものを持参したり、日付の碓認のできない場合もあり、医療ミス報道の多い昨今、万一を考えると背筋が寒くなる思いだ。アレルギーについても、除去食、塗布剤等、かかりつけ医と嘱託医が見解を異にする場合がある。
感染症の登園停止斯間も指針に基本は示されているが、抵抗力の弱い乳幼児の集団はさまざまな問題が生じる。ペーパー上の嘱託医にとどめず実効性あるものにするため、北九州市では今回、医師会園医会会長と保育所連盟会長とで覚書を交わし、保育園保健連絡協議会を立ちあげた。
両者で、ワーキンググループを作り、問題の洗い出し作業と、そのガイドラインを作成するため、緊急検討課題として、感染症〈登園の目安、投薬発熱時の対応等)、アレルギーへの対応について医療行為かサービス行為か、また嘱託医の役割の明確化等を挙げている。
意欲約な嘱託医の存在は保育所保健のみでなく地域子育てネットワークとして、虐待も含めたグレーゾーンの早期発見にも有効に働くことを期待している。次世代に命をつなぐための、小さなアクションである。


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