ゆとりの持てる働き方
北九州市保母会会長 藤岡佐規子
北九州市は2000年度からの介護保険計画を策定するため、予測される混乱やサービズの在り方について学ぶべく、ミュンヘン市に視察団を派遣、策定委貝として一員に加わった。人口規模、ものつくり都市との共道点を持つ同市で導入3年後にどのような課題があるかを見る狙いだった。
学ぶべきことも少なくなかったが、垣間見た限りの感想として、ビジネスと割り切ったサービスには人間らしい心の介在は求め難く、介護者の処遇、社会的地位の低さから施設介護の大半は外国人労働者や移民が担っているのが現状である。
ところで過白、雲に遮られ見ることのかなわなかったしし座流星群を次に見られるのは33年後という。今40代の人々がそのころどんな老後を迎え、その社会を支える少子化時代の彼らがどんな育ちをしているだろうと思った。
少子化対策としての施策は、待機児童の解消、来年4月から実施の女性保護規定撤廃に伴う夜間・休日保育等の整備、幅広いニーズに対応する多様な主体の参入等であり、それらはすべて現在の働き方の継続を保障することを前提に、出産・育児等の妨げになるものの肩代わり施設を整備する等の子育て支援にとどまっているが、その発想を転換することは不可能なのであろうか。
現状に対応した環境整備は大切である。しかし、美しい古都のたたずまいを残すミュンヘン市のゆっくり流れる時間、密度の濃い働き方、午後4時には男女とも職場を離れ、家族と向き合う時の確保を当然とす人々の働き方を、少子化対策有識者会議の「働き方」「家庭に夢を」両分科会が最重点検討課題とすることを願うものである。
1980年代の初めから長時間、長期間保育に取り組み、保育所育ちへの責任を持つべく、感性、人間関係、言葉等の育ちと保育者のかかわり方を課題に検証を続けているのは、女性が層をなして方針決定の場に参画すれば、人間らしい働き方ができる社会の実現を夢見たからこそである。
加害者意識に悩む親たちを励まし、親も子供とのクオリティータイムを持っているからと言い聞かせて働き続けた結果がキレる子供の増加につながったのだろうか。家族が向き合う時間、ゆとりの持てる働き方が当撚な社会の実現を期待したい。


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