■国の保育施策に影響を与えた「保育園のパラドックス」
表は平成17年度版の「少子化社会白書」に記された、これまでの国の保育施策の流れを表したものです。
1995年頃から、国は保育を経済・労働施策の一貫として捉え、保育所は働く母親のための施設であるというような風説が流れました。保育所は児童福祉施設なのにです。これには市場原理主義に影響された、経済を優先する国の基礎構造改革があったのです。エンゼルプラン、新エンゼルプラン、少子化対策基本法と、矢継ぎ早に保育施策を出していますが、このほとんどは経済・労働施策と言ってもいいでしょう。
ところが、2002年9月に「少子化対策プラスワン」というのが発令されました。ここで、働き方の見直しが加わったのです。2001年6月に毎日新聞(発言席)に「家庭の成り立つ働き方を」(拙著)が掲載されました。
2003年には、この「▶ 保育園のパラドックス」が産経新聞に掲載されました。▶ 保育園のパラドックス」
次ページの表をご覧ください。2003年7月には、次世代育成支援対策推進法が策定され、現在実施に移されています。保育園のパラドックスに描かれた図をよく読むと分かりますが、1.このままでは日本の子供たちは悪循環に巻き込まれ健全に育たない 2.結論として日本の社会・経済は活力を失っていく 3.加えて社会不安が蔓延する、というのがポイントです。
こうした問題指摘を理解されたのでしょう。保育は、経済・労働施策だけで展開すると日本の子供たちがダメになるということが理解され、「次世代育成」という概念が取り入れられたのでした。その後、保育指針が改訂され、子供の最善の利益を考慮して、児童の福祉を最優先することとの項目が入りました。これからも共励保育園は、保育の本質を見極め、社会に訴えていきたいと思います。皆さまのご支援を心よりお願いいたします。
社会福祉法人同志舎 共励保育園
理事長 長田安司
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