
この保育は1988年頃に共励保育園の研究会の中からできた保育です。
保育士は年の始めにゴッコ遊びを考え、一年間の物語を作ります。その物語にはいろいろな出来事が起きますが、その出来事の中に「数」「言語」「絵画」「造形」「基礎的な技能」「感性」など、子どもたちの「見る力」「聞く力」「感じる力」「考える力」「判断する力」「相手に伝える力」「表現する力」などを育てる大切な要素を仕組みます。
総合保育の面白い点は、この仮想の物語の中にリアルな世界を作り上げることができることです。子どもたちは仮想の世界に遊びますが、同時に現実の世界の出来事を体験することになります。その物語は子どもたちが自然と必要なことを学ぶように仕組まれていきます。子どもは必要が出てくれば、自ずとその必要なことを手に入れようとします。子どもたちはゴッコ遊びに夢中になりながら、遊びに必要な技能や知識を学んでいってしまうというわけです。
一方、総合保育を組み立てる保育士は子どもたちの年齢の発達の特徴を知っている必要があります。共励保育園の基本カリキュラムは領域別に年齢の発達を考慮してまとめられてありますので、それらをベースに物語を組み立てていきます。ただの遊びではなく、遊びながら学ぶです。保育士も自分のねらいを上手に組み入れることができると、その年は満足感の高い一年となります。ごっこ遊びが子どもたちの中に深く入り込むと、子どもたちにとっても保育士にとっても、一年間が楽しく意味のある展開となります。