上島 真理子(たんぽぽ組)
●“ふう”がよこした季節を知らせる手紙をきっかけに、子どもたちにお手紙ごっこという遊びを通し、相手を思いやる優しい心を持つこと、そして自分が友達や周りの人たちからそのようにされることのすばらしさを感じてほしいと思った。
●身近な活動 子どもたちが簡単に自分たちのできるレベルの活動を大切にしていった。形式にはあまりこだわらなかった。それがミニミニレターであり、目に付く所に色とりどりのかわいく切った用紙をすぐ取れるようにしておいた。ペンなども色とりどりのサインペンなど自由に使用してよいようにペン立てにたくさん入れて書きたくなる雰囲気作りを心がけた。
とにかく、子どもたちがレターを作ってきたら、子どもたちが心に思った言葉を小さく横に書いてあげた。同じことの繰り返しの連続であった。ひたすら宛名書きと一口メッセージを書いてあげた。
しばらくしてから、遊びが全員に広がることを願って、クラス単位の活動を加えた。もらってうれしい気持ちを全員が味わうために、すみれ組からたんぽぽ組へ手紙を出したり、その反対のやりとりをした。その活動はやがて小さいクラスの子、大きいクラスの子、そして弟、妹、先生へとだんだん広がっていった。
遊びが広がった大きな理由は、お手紙を手渡しできるということ、そして、手紙を持っていけば保育園中どこでも自由に行ってよいという開放感だったと思う。
文字を伝えることや郵便の仕組みは自然な形で行えたと思う。はがき形式の用紙を使用していったり、スタンプを使うことで文字を書く一歩手前の段階を踏んだり、切手の役目、種類を知ったり色々なことを学んだと思う。スタンプ文字を使うことは自然に文字への興味を引き出すことになり、書ける子はだんだん書くようになっていった。個人差のある年齢だが、それぞれのレベルで楽しむことができたようだ。
私がこの活動で感動し、感謝しているのは園長先生とのやりとりであった。色々な先生たちへお手紙を書くことが盛んになっていった中で、園長先生に出すと、きちんとお返事が届き、その一つひとつは丁寧に心を込めて書いてくださったものであった。
内容も一人ひとりに対する心のこもったメッセージがあり、この活動で励まされ力をつけた子もたくさんいたと思う。丁寧に筆ペンで手書きで書かれた文字はやはりワープロやパソコンの字とは違い、あたたかいものであった。
本当に地味で時間もかかり大変なことだが、それを園長先生に助けていただいたおかげで私たちの保育がスムーズに行き、盛り上がっていったのだと思う。そればかりか、この活動そのものが保育園全体に支えられ、みんなに助けられていた気がする。
人と人とのつながりや思いやりなどが育つためには環境が大切である。社会全体があたたかい雰囲気になれば問題ないわけであるが、時間に追われる生活をしている私たちにはそのようなことがどんどん見失われている。せめて、子どもたちが育つ一部である保育園という環境の中では、あたたかい環境が確保されたい。
そのためには私たち保育士が身近な生活の中で、人と人とのつながり、関わり、思いやりなど育つような保育を考え合い、子供たちと共に育つことが必要ではないかと思う。
『れたぁ』はそういったきっかけを与えてくれた保育であったと思う。
斉藤 綾(すみれ組)
自分自身が幼い頃から「手紙」というものに興味があり、仲の良い友達と絵などを交換するのが好きだったので4月の総合保育のテーマが「手紙」に決まりとても楽しみにしていました。
しかし、その反面「手紙」だけで一年間充実したものになるかどうか、子どもたちから意欲的な活動が出てくるか、単調になってしまわないか・・・という不安はありました。
最初は季節を知らせてくれる風の子“ふう”から手紙が届いていろいろなことに気づいたり、教えてもらった場所に行ってみたり、すすめられたことをやってみたりしました。
だんだんと子どもたちの中に誰か親しい人、友達やお母さん、先生などに何かメッセージを送りたいという気持ちが芽生えていきました。
絵手紙から少しずつ文字スタンプで「おげんきですか」などの言葉が書けるようになり文字に興味を持つようになりました。 同時に簡単な文章がスタンプ文字で作れたり、えんぴつを使って書けるようになり子どもたちにどんどん文字の世界が浸透していくのがわかりました。
クラスや年中組の中だけではなく園長先生や事務所の先生、家庭のお父さんお母さんも巻き込んでお手紙ごっこを楽しむことができました。
年中組最後の保育展には、お手紙をあげたりもらったりする楽しみの他に、さらに郵便ごっこを展開することができ、切手や便せんなどを作って売るということを楽しむことができました。 「手紙」というシンプルな題材でしたが家庭と保育園、そして子どもたちを結ぶ大きな役割を果たしてくれたと思います。
この保育を通じてみんなの心が一つになることができたように感じられます。 ちょうど4才児(年中)という年齢にぴったりと合った総合保育だったので、お手紙ごっこから郵便ごっこへと発展していくことができたのだと思います。
一つ残念なことは、お手紙ごっこが発展してきた影で“ふう”の存在がうすくなってしまい、子どもたちの印象にあまり残らなかったかなと思われるところでした。
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